Photo: iPhone 5S + POMELO

本書は、オールドレンズを使ったことがないけど興味はある人、普段使いしている人、はては作品づくりに活かしている人まで、多くの層にオススメできる一冊です。

「オールドレンズをデジタルカメラで使う」というジャンルは、ここ数年でメジャー度が向上したんじゃないかと感じているのですが、その仕掛け人と言えるのが、この本の著者の澤村徹さんです。澤村さんはカメラ雑誌の新商品紹介記事なんかもよく書かれているのですが、ブームが盛り上がる以前からさり気なくオールドレンズネタを忍ばせているんですよねw そんなわけで、「大・丈・夫・澤村さんのオールドレンズ本だよ」というわけです。

内容は、日本カメラ本誌で連載していた同名コーナーを一冊にまとめたもので、「レンズ物撮り + 作例写真 + 解説テキスト」で 1 セットになっています。僕がその中で特に楽しめたのは、解説テキストでした。

オールドレンズの解説によくある、レンズの歴史やスペックや描写説明等ももちろんあるのですが、レンズソムリエと呼べそうな表現がちょくちょくあって、それがとても素敵な文章なのです。以下に、Nikkor-SC Auto 55mm F1.2 と Zunow Elmo 13mm F1.1 の部分を引用します。

開放の甘さに妙味がある。甘いシャープネスに滲みがともない、夢を追想するような切なさが宿る。

周辺部はたゆたう湖面を思わせる。古ぼけた手鏡を覗き込むような、昭和レトロを満喫できるDマウントレンズだ。

どうでしょう。まさにソムリエのような表現だと感じます。これって、カメラ仲間に自分のレンズを自慢する時の参考にできると思うんですよねw

レンズのラインナップは、比較的シブいセレクトです。Amazon でレンズのリストが見られるので、気になる場合はチェックしてみると良さそうです。

他にも、掲載写真がかなり良い印刷になっています。シャドウの残り方が絶妙と言うか。澤村さんもご自身のブログでパーフェクトと評されています。

初心者向けのコラムもあって、オールドレンズの買い方、ベースボディの選択肢、アダプターの選び方もフォローされています。