2012年12月
Amazon のKindle ダイレクト・パブリッシング(以下 KDP)がもっと流行って欲しいので、簡単に写真集を出版できちゃうサンプルファイルを作成しました。ダウンロードして自由に使ってください。
ファイル内にコメントが書かれているので、それに従って編集すると最低限の内容の写真集が作れます。必要に応じて、コンテンツを追加していくと良いと思います。
注意
HTML を直接編集できることが前提となっています。
また、サンプルファイルには、EPUB の仕様で見ると違反している部分が多々あります。本記事及びサンプルファイルの目的は、EPUB を作ることではなく KDP で写真集を出版することであり、EPUB は MOBI に変換するための手段としているので、そのような状態になっています。
Kindle プレビューワまでの確認は行っていますが、出版までの確認は行っていません。サンプルファイルを使用しての出版で何か問題が起きたら、この記事のコメントかTwitterまでご連絡ください。
手順
- 写真を用意する
- サンプルファイルをダウンロードする
- 画像ファイルを指定のディレクトリに移動する
- 各ファイルを、コメント個所を参考に編集する
- ファイルを EPUB 形式にする
- KDP で出版作業を行う
順番に解説していきます。
写真を用意する
メインコンテンツとなる、写真を用意します。サイズは、Amazon が推奨する表紙画像のサイズと同じく、長辺が 2500px (あるいはそれ以上)あると良いでしょう。
ファイルサイズ(重さ)は、KDP のヘルプでは最大 127KB とされていますが、越えていても特にエラーなどは返らないようです。
ただし、データをユーザーがダウンロードすることや、ロイヤリティを 70% にする場合の配信コストを考えると、画質に問題の無い範囲で軽くしておいた方が良いでしょう。"jpg 軽量化" とかでググると良いと思います。
画像のファイル名は何でも良いですが、サンプルファイルでは 01.jpg 02.jpg ... というルールになっています。
サンプルファイルをダウンロードする
サンプルファイルをダウンロードします。普通の zip ファイルです。中身はこんな感じになっています。
kdp_photobook/mimetype
/META-INF/container.xml
/kdp_photobook/kdp_photobook.opf
/introduction.xhtml
/main.xhtml
/okuduke.xhtml
/css/style.css
/img/01.jpg
/02.jpg
/03.jpg
/04.jpg
/05.jpg
画像ファイルを指定のディレクトリに移動する
用意した写真を、img/ ディレクトリの中に移動します。
各ファイルを、コメント個所を参考に編集する
kdp_photobook/ ディレクトリの中のファイルを編集していきます。
kdp_photobook.opf
このファイルは、本自体のデータや写真集に使用するファイルが記述されているものです。コメントがある部分を編集します。
introduction.xhtml
前書き的なページのファイルです。普通の XHTML なので、普通に編集できます。
main.xhtml
写真を記述する、メインコンテンツのファイルです。<mbp:pagebreak /> という独自タグを使うと、任意の部分で強制的に改ページを行うことができます。
縦持ちデバイスを想定した場合、縦向き写真なら一枚ごとに、横向き写真なら二枚ごとに改ページするとバランスが良いようです。
横向き写真を一枚で改行してしまうと、ページの下部が空いてしまうので注意しましょう。
okuduke.xhtml
奥付ページのファイルです。お手持ちの写真集(紙の)を参考にすると良いでしょう。
ファイルを EPUB 形式にする
ちょっと特殊な方法で zip ファイルを作成し、その後に拡張子を .epub に変更します。
EPUB 用の zip ファイルの作成方法は、横浜工文社さんのページの "Epubファイルの作成"という節で詳しく解説されています。
KDP で出版作業を行う
KDPでアカウントの登録〜出版作業を行います。これだけで一本記事が必要なくらいのボリュームがあるので、キンドる速報のはじめてのKindle ダイレクト・パブリッシング(KDP)体験記という記事の "KDPアカウントを登録する(約10分)" 以降を参考に進めてください。日本語で作業ができるので、特に問題は無いと思います。
だいたい月刊なみこの記事と似ていますが、書こうと思ったのはこっちが先だわー。一億と二千年前から書こうと思ってたわー。
さて、本記事の趣旨は、写真集作りとオールドレンズパラダイスの先日の講座を経て、自分が写真で表現したい事が掴めてきた気がするので、メモする。という物です。
そもそも、僕が撮っている写真には、作例と作品の二つがあります。
作例はその名の通りレンズ作例というカテゴリにまとめています。こちらは資料的な扱いで、画像の加工なんかは最小限です。
一方、作品は一撮光陰カテゴリとか、どこそこに行ってきた系(例えば奥野ビルとか、銚子とか)なんかの、ビジュアル的に魅力を求めて、画像加工もしている系です。
表現というものが関わってくるのは、主に後者の作品の方です。
まー表現とか言うと難しいんですけど、乱暴に言うと、写真で何をしたいのかって事かなと思います。
自分が惹かれる被写体と言うのは、古い建物とか、田舎の風景とか、あるいはどこかファンタジックな光景だったりして、それをこれまでは「自分にとっての非日常」みたいに呼んでいました。例えばこんな写真。
で、その「自分にとっての非日常」な写真で、何をしたいのか。ということをずっと考えていたんですが、今回出た一旦の答えが、現実逃避でした。
古い建物も田舎の風景もファンタジックな光景も、僕にとっては現実味が薄く、ある種の憧れの対象です。古い建物で暮らしたことも無ければ、育ちは東京だし、ファンタジーな世界にも行ったことが無いので。
なので、そういう写真を撮ったり、加工して作り出すことで、そこを埋めているのかなと。
かなり個人的な写真だと思います。「写真を通して何かを伝えたい!」みたいな欲求は、今のところあまり無いようです。自分が良いなと思う物が、他者にもそう思って貰えたら嬉しいですけど。
と言うわけで、今後は意識的に現実逃避な写真をたくさん撮っていきたいと思います。
Amazon の Kindle ダイレクト・パブリッシング(以下 KDP) で、写真集を出版しました。電子書籍です。キンドル端末を持っていない人でも、Kindle アプリ(iOS / Android)を入れて、Amazon から写真集を購入すると、見ることができます。
機材は、ライカ 2 型 改 3 型 + ルサール 20mm F5.6 + Ilford XP2 Super 400 で、全ての写真が撮り下ろしです(出版時には他で発表していません)。普段はデジカメ + オールドレンズを載せているこのブログ的には、まさかのフィルム写真集と言った感じ。
収録内容は、2012 年に撮影した、「90 年代(特に中盤〜後半)を感じさせる秋葉原」というものです。
このテーマを選ぶきっかけになったのは、今年(2012 年)の 10 月に行われた千代田海藻の取り壊しでした。秋葉原は、時代の流れに合わせて変わり続けてきた街です。しかし、懐かしさのアイコン・・・とまで言うと大げさかもしれませんが、馴染みのあった懐かしい建物が取り壊されたことには、言いようの無い寂しさを感じました。
取り壊される数日前に、千代田海草の外観をフィルムで撮影していたこともあり、他にもある、秋葉原で懐かしさを感じる風景を、今の内に残しておきたいなと思ったのです。
最初はブログに載せるだけで良いかなと思っていたのですが、タイミング良く KDP が日本に上陸したので、電子書籍写真集を作ってみようと思ったのでした。
なお、作成は EPUB3 形式のファイルを手書きで作って、KDP 側で変換しています。その辺りの技術的な内容は、仕事とか技術ブログのhamashun.me : EPUB, KDP, 電子書籍で書いていっています。
このレンズはジャンク品です。レンズの状態もキズ・ホコリありですが、それよりも致命的なのは、絞り羽根が抜かれており、常時開放の F4 になっていることです。
とは言え、被写界深度が深い広角レンズであることや、開放 F 値が暗い前期型であること、また個人的に周辺減光が好みの収差であることなどから、購入に踏み切りました(爆安でしたし)。
写真が多めなので、続きからどうぞ。