原宿ストリートポートレート


「原宿で外国人を撮ってる、一色さんって人はどうかな」

自分の写真の勉強になる写真集を買いたいなと思って、赤城耕一さんに、
「ストリートで声をかけてポートレートを撮っている写真家を、ハービー山口さん、鬼海弘雄さんの他にご存じないでしょうか?」
と聞いた際の返答がそれでした。

その一色さんが、ストリート・ポートレートの写真集を出版されました。

ストリート・ポートレート


一色さん - 御苗場 2017 会場にて

実はその時既に、一色さんとは交流があったので新たな発見とはならなかったのですが、赤城さんの口から、ハービーさん、鬼海さんに続く写真家として一色さんの名前が挙がった事はとても印象的でした。

さて、本書は、原宿の路上で声をかけて撮影する、ストリート・ポートレートの写真集です。
僕も秋葉原で似たような事をやっていますが、実は完全に一色さんの真似です。 はじめる前には直接連絡を取って許可を貰った程に。 笑。

「路上で魅力的な人を見かけた瞬間」に「撮りたい」と感じるのは、写真を撮っている人なら誰しも経験があるのではないでしょうか?
でも、実際に声をかけて撮影する事ができる人は、なかなか少ないようです。

本書は写真のみでなくコラムも載っています。 一色さんがストリート・ポートレートをはじめた理由や、実際の撮影フローやコツなどが、惜しみなく書かれています。 単純に素晴らしい写真集というだけでなく、路上で声をかけて人を撮ってみたいと思っている全ての人に対する入門書としても、とてもお勧めです。

プリント・クオリティの写真集

ハービーさん、鬼海さんはどちらもモノクロ写真が印象的で、ハービーさんは幸せそうな人、鬼海さんはちょっと変わったインパクトのある人がメインの被写体だと思います。

一色さんはカラー写真で、変に彩度やコントラストを上げすぎたり下げすぎたりしないナチュラルな仕上げですが、かと言って普通かと言われると普通では無いんですよね。 なんと言うか、アナログ感のあるデジタルと言うか……、質感がとても気持ち良くて印象に残って、ふとした合間につい手に取ってパラパラとページをめくりたくなる、不思議な魅力を秘めています。

写真集に登場する人達は、原宿にいるおしゃれで刺激的な外国人達です。 これが原宿の街と絶妙にマッチして、「ああ、ちょっとロスに行って撮ってきたんだよ」と言われたら信じてしまいそうな程です。

一般的に写真の見せ方は、Web やプリントや写真集などいくつの手段がありますが、撮り手が一番コントロールしやすい(自分の見せたいイメージに最も近づけやすい)のはプリントだと思います。
そして、何度か一色さんのプリントを見せて貰った事があるのですが、本書ではその雰囲気がかなり再現されていると感じました。 これって、自分で写真集を作った事のある人なら分かると思うんですが、写真集で色とか明るさをイメージ通りに仕上げるのって、凄く大変なんですよね……!

ライカ使い的な楽しみ方

そうそう、掲載されているすべての写真は、デジタルライカで撮影されています。 撮影データもすべての写真に載っているので、ライカユーザー的にはそっち目当てで買うのもアリかもしれませんね。 笑。