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カメラ趣味と写真趣味は、混ざり交わる事はありながら時として別物に扱われると思っています。カメラという軸で見ると、モノとしてのカメラ自体を愛でるのか、カメラはあくまで道具であり撮影された写真に着目するのか、という違いでしょうか。

その意味では、オールドレンズ界隈は前者の「モノとして愛でる」部分がフィーチャーされがちな気がしています。鏡胴が格好良いとか、ボケの形がどうとか、フレアが出やすいとかですね。もちろんそれもオールドレンズの魅力なんですけど、もう一方の魅力である写真への活かし方にも興味があったりするわけです。


先日発売されたオールドレンズ専門誌のカメラホリック レトロは、その欲求に応えてくれるものでした。特に巻頭の写真作品ページが良くって、4人のプロ写真家がこの本のために企画し撮り下ろした作品が30ページ以上にわたって掲載されています。

もちろん全てオールドレンズを使って撮影されていて、「何故そのレンズを使ったか」はストレートには説明されていないのですが、読みながらその理由を自分で考える事ができてかなり楽しめました。どの作品も良かったのですが、特に谷杉アキラさんと澤村徹さんの作品が懐かしくも切ない感じで好きです。

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Leica M9 + Summitar 50mm F2
ゆなまるさん
※戦艦大和と同時代のレンズで戦艦大和と同時代の着物を着た「艦これ」の登場キャラクター「大和」を撮る、という作品

僕は写真趣味を始めた頃からオールドレンズという存在が身近にあったわけで、今でも多少の本数を所有していますが、こと作品撮りとなるとオールドレンズは機材から外してしまう事が多くあります。

風景系の作品の場合はわりと使いやすいのですが、人物写真の場合は描写が特徴的になりすぎてしまうので避けがちなんですよね。可愛い系女子の写真なのに背景がぐるんぐるんしてるとか、なかなか厳しいものがあります。

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Leica M-E Typ240 + Summarit 5cm F1.5
ミカさん
※ポートレートでも、どこか不穏だったり現実から少しズレてるような雰囲気を出したい時はボケが特徴的なオールドレンズを使います

もちろん、人物写真でもコンセプト的にオールドレンズを使いたい場合もあるわけで、そういう時は素直に使います。まあつまり、全ては企画力という事ですね。

そんなわけで、今回のカメラホリック レトロは、オールドレンズを使った作品の企画力を鍛えるための勉強になって嬉しい一冊なのでした。